BLOG お役立ちブログ

記事一覧へ戻る

【工場見学】「ガシャン!」その一瞬に魂を込める。手袋の形が生まれる「プレス機」の迫力

こんにちは!IKK株式会社のスタッフブログです。

皆さま、普段何気なく手にしている製品が、一枚の布から「その形」になる瞬間を見たことはありますか? 今日は、IKKの主力商品である「無縫製防塵手袋」が生まれる、製造現場の最前線へ皆さんをご案内します。

今回の主役は、動画に映っている赤とシルバーの巨大な機械。 通称**「プレス機(油圧裁断機)」**です。

工場の中に響き渡る、重低音のリズム。 今日は、この迫力ある工程の裏側と、職人の技についてご紹介します。

圧倒的なパワーと、繊細な切れ味

動画をご覧いただくと、作業員が板のようなものをセットし、機械が力強く「ガシャン!」と降りてくる様子がわかると思います。 これは、何層にも重ねられた特殊な生地を、手袋の形をした「抜型(ぬきがた)」を使って一気に打ち抜いているシーンです。

まるでクッキーの型抜きのようにも見えますが、相手は耐久性に優れた高機能な工業用素材。 生半可な力では切れません。このプレス機は、数トンもの圧力を一瞬でかけ、分厚い生地をスパッと切断しています。

この「切れ味」こそが、IKKの手袋の品質を左右する最初の重要なポイントです。 私たちが作っているのは「無縫製手袋」。縫い目がないため、切断された断面(エッジ)がそのまま製品の輪郭になります。もしここで切り口が毛羽立ったり、歪んだりしていれば、指を通した時の違和感や、耐久性の低下につながってしまいます。

圧倒的なパワーで、かつミクロ単位の精度で「美しく切る」。 このプレス機は、いわば手袋に命を吹き込む心臓部なのです。

機械と人の「阿吽の呼吸」

「機械が切るなら、誰がやっても同じでは?」 そう思われるかもしれません。しかし、動画の職人さんの動きに注目してみてください。

型をセットし、ボタンを押し、プレスされた直後に余分な生地(「カス」と呼びます)をサッと取り除く。 そして切り抜かれた手袋を素早く検品しながら積み上げ、次のセットへ…。

まるで流れるようなこの一連の動作。ここには、熟練の技術が詰まっています。 生地の張り具合を見極め、無駄が出ないように型を配置する位置取り。そして、安全を確保しながらスピーディに作業を進めるリズム感。 機械のサイクルに人間が合わせるのではなく、職人が機械を完全にコントロールしているからこそ、このテンポが生まれます。

特に、切り抜いた後の余白部分をペラっと剥がし、真っ白な手袋の形が現れる瞬間は、見ていてとても気持ちが良いですよね! この瞬間、ただの「布」が、皆さまの手を守る「道具」へと進化するのです。

手元に届く「安心」の裏側

切り出されたばかりの手袋たちが、青いケースに整然と積み重なっていく様子は圧巻です。 この後、さらに加工や厳しい検査を経て、皆さまのお手元へと届けられます。

私たちが目指しているのは、作業現場で働くプロの方はもちろん、家庭でDIYや掃除をされる一般の方にとっても、「使いやすい」「疲れない」手袋です。 長時間つけていても痛くならない滑らかな断面や、手にフィットする正確なサイズ感。 それらは全て、このプレス機の前で汗を流す職人たちの、真面目な仕事から始まっています。

もし今度、IKKの手袋を手に取る機会がありましたら、ぜひその「形」の美しさに注目してみてください。 「あの赤い機械と職人さんが、一枚一枚抜いてくれたんだな」 そんな工場の風景を思い出していただけたら嬉しいです。

IKK株式会社はこれからも、石川・かほくの地から、確かな品質の「メイド・イン・ジャパン」をお届けしていきます。 次回のブログでは、試作品をご紹介する予定ですので、お楽しみに!