BLOG お役立ちブログ

記事一覧へ戻る

【開発の裏側】まだ世の中にない「最高」を求めて。試作品づくりの静かなる戦い

こんにちは!IKK株式会社のスタッフブログです。

12月に入り、今年も残りわずかとなりました。 私たちIKKの工場では、日々多くの製品が出荷されていますが、その一方で、実は「未来のヒット商品」を生み出すための地道な活動も行われています。

今日は、普段はお見せすることのない**「試作品開発」**の現場にカメラを向けました。

機械が止まった静寂の中で

今回公開した写真は、工場の片隅にある開発スペースでのひとコマです。 写っているのは、長年製造に携わってきたベテラン社員。 周りには、いつもの「ガシャン、ガシャン」というプレス機の音はありません。聞こえてくるのは、定規を当てる音と、ハサミを入れる微かな音、そして時計の針の音だけ。

「あれ? 手袋工場なのに、まるで洋服の仕立て屋さんみたい?」 そう思われた方もいるかもしれません。

実は、新しい手袋を作る最初のステップは、驚くほどアナログなんです。 パソコンで図面を引くこともありますが、最終的にはこうして人の手で素材を広げ、触れ、悩みながら形を切り出していきます。

「0」から「1」を生み出す難しさ

写真の作業台に広げられているのは、手袋の材料となる特殊なフィルムやニット素材です。 試作品づくりとは、単に形を作るだけではありません。それは、素材との対話です。

「この素材の組み合わせで、本当に動きやすいか?」 「耐久性を上げたいけれど、厚くしすぎると指の感覚が鈍るのではないか?」 「長時間つけていても、蒸れずに快適だろうか?」

頭の中にあるアイデアを、実際の「モノ」として具現化する。 これは、0から1を生み出す、産みの苦しみの時間でもあります。 写真の社員が腕をついてじっと下を向いているのは、決して疲れているからではありません(笑)。素材の特性を見極め、ミリ単位の調整を頭の中でシミュレーションしているのです。

すべては「使う人」の笑顔のために

私たちIKKが作っているのは、工場や医療現場などで使われるプロ仕様の手袋が中心ですが、その先には必ず、それを使って作業をする「人」がいます。 そして最近では、一般のご家庭でDIYや掃除、園芸などにこだわりの道具を使いたいというお客様も増えています。

だからこそ、私たちは**「使い手の感覚」**を何よりも大切にします。

機械で大量生産する前に、まずは手作業でサンプルを作り、実際に自分たちの手にはめてみる。 「あ、ここのカーブが少し突っ張るな」 「ここの縫い目(溶着部分)が当たると痛いかもしれない」 そんな微細な違和感を、人間の五感で徹底的に潰していくのです。

この写真に写っている試作品が、どのような製品になるのかは…まだ秘密です。 しかし、何度も失敗し、素材を切り直し、修正を重ねた末に完成する製品は、きっと皆様の生活を少し便利に、そして快適にするものになると確信しています。

IKKの挑戦は続きます

完成された製品を見るだけでは分からない、こうした泥臭い試行錯誤の積み重ねが、IKKの品質(クオリティ)を支えています。 「たかが手袋」と思われるかもしれませんが、私たちはその小さな道具に、日本のものづくりのプライドを詰め込んでいます。

この作業台の上で生まれた「原石」が、磨き上げられ、やがて皆様のお手元に届く日を楽しみにしていてください。

「こんな手袋があったらいいな」 そんなお客様の声が、次の開発のヒントになります。 もし何かご要望があれば、ぜひお声がけください。この写真の彼が、また腕まくりをして作業台に向かうかもしれません!

これからもIKK株式会社の新しい挑戦に、どうぞご期待ください。